福祉でまちづくりを進める
社会福祉法人ヒューマンライツ福祉協会

すずらん施設長コラム~デジタル化の穴

静岡県の認定こども園で起きた三歳女児の送迎バスでの置き去り事件は、本当に胸が痛くなる事件です。様々な要因が挙げられていますが、例えばバスの窓もシートで覆われていた、下車する児童の人数確認をしなかった、とも指摘されています。わたしが注目したのは、このこども園では児童の出欠についてアプリで登録する仕組みになっていたことです。デジタルで管理していると便利なこと、時間が節約できること、いろいろと生活面でも実感しますが、改めてそこに頼りきってはいけないのだ、と教訓を得ました。最終は人の目、人の声、顔色はどうかなど、人の力がものを言うことを、われわれは肝に銘じる必要があります。この事件に関して、送迎の職員さんと少しばかり話しました。それぞれの観点からリスク管理する必要性について考えさせられました。

この女児は40度以上に温度が上がった車内で、飲み物を飲み干し、衣服を脱いで、生きるための工夫と努力を精一杯続けたと想像します。どんな気持ちでいたでしょう、どれほど助かりたかったでしょうか。胸に刻まれた事件になりました。