8月です。世界で8000万人、日本でも310万人以上の死者を出した第二次世界大戦の敗戦から77年が経ちました。先輩から「戦争は最大の人権侵害」と教わってきましたが、ウクライナを見ていると人権侵害の最終形が戦争だという気がします。私にとって絶対に受け入れられない社会問題トップ5の1つ目は戦争です。戦争とは殺し合いであり、時に人を鬼畜に変えてしまう人類の蛮行なのです。
2つ目は原子力問題です。まず核兵器は論外です。原発は低コストで地球にやさしいエネルギーという側面があるのかもしれませんが、やっぱりダメです。そもそも人間に原発は管理できないからです。それは福島第一原発の事故で証明済みです。今なお核のゴミを捨てる場所すらありません。原子力技術をレントゲンや放射線治療、伝染病対策等に使う程度ならまだしも、発電となると次元が違います。原発施設はテロの標的にもなり、ウクライナではすでに砲撃されています。再稼働はもとより輸出も停止し、廃炉を推し進めて脱原発に踏み出し、再生可能エネルギー主導の社会を創らなければなりません。
3つ目は地球温暖化問題です。今年は梅雨入りしてすぐに梅雨が明けました。異常気象です。8月に入っても日本のそこかしこで毎日のようにゲリラ豪雨や大規模水害が発生しています。人類が地球に住めなくなるほどの温暖化危機が目前にあり、犬猿の米中でさえ協調を約束するほどです。SDGsや省エネレベルではこの難局は突破できず、逆にこれらの活動がアヘンと化し、危機をマスキングしていると警鐘を鳴らす学者もいて、もはや資本主義の暴走を止めるしか解決方法はないと主張されています。
4つ目は孤立と貧困の問題です。日本の自殺率は高止まりしたままです。孤立死は後を絶たず、二人孤立死も起っています。社会的格差や相対的はく奪も深刻です。最近では、安部元首相の襲撃事件が象徴的でした。マスコミは、この事件が宗教被害を背景とした容疑者の暴走だと言いますが、私は彼の孤立と貧困の深刻化が本質だとみています。先ごろ死刑が執行された秋葉原事件の犯人も、26人が犠牲となった大阪精神科クリニック放火事件の容疑者も、背景には孤立と貧困の連鎖が横たわっています。
そして5つ目は差別や排除の問題です。部落差別や障害者差別、女性差別など様々ですが、最近衆知を集めたのはコロナ感染症差別でしょう。日本はハンセン病差別を猛省し、教訓にしなくてはならないし、O157の時も反省したのに、再び感染症差別を引き起こしています。また、認知症の人への差別も苛烈です。この6月には宗教系政治団体の懇談会で、LGBTQに対する差別や排除を誘発・扇動する講演録が配布されたりしています。ネット上でもヘイトクライムやいじめが横行しています。レイシズムや外国人差別は言わずもがなです。一日も早く包括的な差別禁止法や救済法の制定が必要です。
私にとっての5つの巨悪をまとめてみました。どれも一筋縄ではいきませんが、あきらめません。