福祉でまちづくりを進める
社会福祉法人ヒューマンライツ福祉協会

能登半島地震

 新年早々、大惨事が続発しています。1日は能登半島地震(M7.6)。まずは犠牲となられた方々にお悔やみ、お見舞いを申し上げます。2日は羽田空港での飛行機事故、3日は東京JR山手線車中で起こった女性による男性4人の刺傷事件。普段ならトップ級の話題となる大惨事が矢継ぎ早に起っています。昨年末には自民党派閥裏金疑惑が話題のトップでしたが、新年の大惨事で注目度が半減。ひねた見方ですが、半分は大惨事を心配しつつ、半分はほくそ笑んでいる政治家はきっといるでしょう。

 特に能登半島地震は津波も加わり深刻です。現地の報道を見ながら私は阪神・淡路大震災(1995年/M7.3/死者・行方不明者6437人)を思い出しました。来年1月は発生から30年の節目です。当時、私たちは障害者会館を拠点に、神戸市、芦屋市や尼崎市に行って様々な支援活動を行いました。被災者はお風呂に入れない、日用品が確保できない状態でした。夜、中型のマイクロバスで西成を出発して、朝、被災地に到着。被災者にマイクロバスに乗ってもらい一路西成へお連れして、障害者会館でゆっくりお風呂に入ってもらう。車中で必要物品を聞いておき西成で調達して配布しました。入浴後は鶴見橋商店街に出かけ、必要な物品を各自調達してもらう。その後、再びバスに乗ってもらって被災地まで送り届ける。いわば長距離送迎の「被災者デイサービス」でした。「ガッツやKOBE」と書かれたTシャツを着ながら約3ヶ月間、被災者デイ活動を続けたと記憶しています。飲料水のカンパや炊き出しも行いました。にぎり飯+豚汁メニュー以外に、お得意の焼肉の炊き出しも行いました。

 能登半島地震に対して私たちは何ができるのか。被災地の老人ホームや障害者事業所は大丈夫かと気になりますが私たちが独自で動くとかえって迷惑がかかることもあるのでしかるべき団体を通じてサポートをした方がいいと思っています。すぐにできることは、当法人の職員、サービス利用者の中に、能登方面に親戚や友人がいないかを照会し、もし被災して困っている人がいれば個別に支援を行うことです。また、西成区は大阪市内で生野に次いで公衆浴場が多い特性があります(西成区役所おふろ部パンフレットによると2019年点で24ヶ所)。実は大阪の公衆浴場経営者には石川県にルーツを持つ人が多いのです。この関係をたどって、被災者をサポートすることも西成らしい取り組みだと思います。

 いずれにせよ阪神・淡路や東日本大震災(2011年/M9/死者・行方不明者約2万2000人)の教訓を活かした支援が重要です。避難所では高齢者、障害者や難病の人などの災害弱者が大変苦労します。例えばライフラインが崩壊しても在宅酸素や人工透析の人の療養の中断はできません。物流が寸断しても糖尿病の人にはインスリンを、オストメイトにはストーマ用具を届けなければなりません。私たちは、最も困難が集中するところに視点を置き、復興をサポートしていきたいと思っています。