福祉でまちづくりを進める
社会福祉法人ヒューマンライツ福祉協会

やまゆりレター★みとり、おくる(3)開設10周年

人生の最期のお別れは、ある人はご家族に囲まれ、

職員に看取られ、ほんとうに人それぞれ。

介護をしていて、いいな、と思うことは・・・

最期の場面が、ご家族もふくめて、いがいに笑い声につつまれる瞬間があると思うこと。

もう、5年も前のこと、お風呂も、食事も、いつ起きるかも、

自分の意のまま、介護職の言うことなんて一つも聞いてくれない。

わが道をゆく男性の入居者さま。

「お父さん、昔っから好きかって生きてきた人やから^^;

まわりの皆を振り回して。わたしもう、わりきってますねん。

お父さんはこういう人やて^^」

と、娘さま。

その、お父様の最期の息の時。

顎を大きく引き下げ、下顎呼吸が始まり、

いよいよ最期の時が迫ってきた、と寄り添う介護職、娘さまともに覚悟しました。

息がとまりました。

娘さま。

「父が、わがままほうだい、ほんまに迷惑おかけしました。

でも、やまゆりさんに、入れてもらって、よかった。最後まで、父らしく、わがまま通して、

生き通せたと思います・・・」

 

挨拶をされていると、

急に長い無呼吸の底から、お父様が息を吹き返したのです@@;

「ええ~!お父さん、生き返ったん?!ほんまに、最期の最期まで、振り回すなあ^^; 」

お部屋の中が、驚きと笑いにつつまれたのが、なんだかほのぼのとして幸せな時だったのを、

思い出します。お父様は、ぶじに(?)

その後、穏やかにお亡くなりになりました。

 

そのお話とは関係ありませんが・・・

みとり、おくる(2)でご紹介した、入居者さまの書。

実は、こんな素敵な特技をお持ちで、ご葬儀で息子様にいただき、

やまゆりに飾らせていただいています。

「平常心」

仕事で平常心をなくしたら、1階に行ってあの額を見て、頭を冷やしておいで!^^

と、職員同士はなしています。

七転び八起き。

やまゆりを励ましてくれているのでしょうか?^^

こうして、時が刻まれていく、過ごしてきた方の想いが刻まれていく。

エレベーターホールに飾っています。

来所の際には、ぜひ足をとめて、見ていただきたいと思います^^

こんなおちゃめな一面もあったんだなあ、

とこの額を見るたびに、笑っています^^