トイレ、車イス、ベッドなどへ移る時にする介助を
「移乗介助」といいます。
移乗という言葉はあまり普段生活している場面では使いませんが、
介護や医療などの現場ではよく使われています。
トイレをしたり、寝ることは生活に欠かすことができないので、
移乗介助する場面は多いです。移乗の方法は沢山あり、
介護者と介護を受ける側(以下 被介護者)の状態に
よっても変わります。
今回は移乗の際に注意すべきポイントを3点挙げたいと思います。
:ポイント1
【自然な動きを心掛ける】
ケガをさせないように無理に力を入れたり、不自然な動きで負担が
増大したりしないように心掛けましょう。
不自然な動きというのは、例えば人が座っている場所から
立つときには前傾姿勢をとりますが、その前傾姿勢をとってもらわずに
真上に立つようにすることは不自然な介助といえます。
いわゆるボディメカニクス(体の自然な動き)に反する介助となります。
:ポイント2
【客観的に見られる環境を作る】
2人介助でもない限りは基本的に介護者と被介護者の1対1で
移乗を行ないます。しかし、それでは実際に行われているケアが
お互いにとって負担の少ないケアになっているかの客観性に欠けます。
そのため定期的にケア方法を介護者同士で確認して
見直す環境作りは大切です。
:ポイント3
【最小の力で安全に】
出来るだけ使う力を少なくすることも大事です。
これは全介助の移乗時に力を抜くといったことではなくて、
走行式リフトやスライディングボードなど機械や器具を用いる
ことで、力をそこまで使わずに移乗することが大事ということです。
これは余談ですが、、、
ヨーロッパの方が日本の介護現場の移乗介助を見たときに
「これは虐待ではないか」と言ったのは有名な話。
ヨーロッパでは抱え上げない介護(ノーリフティングケア)
が主流です。介護者と被介護者の双方の負担が少ないことが
前提にあるので、抱える介護は基本的にNGとなっています。
日本にも走行式リフトなどが導入されていますが、
それは介護施設などがメインとなっており、
在宅の方でリフトを持っている方は現在は少数派です。
介護保険制度ができてから約22年が経ちました。
今までやってきた経験が生かされることも多いですが、時代の変化で
今までやってきた介護技術の見直しも必要となってきています。
介護者と被介護者の負担が軽減できる
移乗介助を目指していきたいですね。。。