まちかどホームやまゆりが誕生して9年目に入りました
その中で、ご夫婦でご入居となられた方が5組いらっしゃいます
どちらかが先に入所され、その後何らかの理由で入所される
最終的に同じ場所で夫婦一緒に過ごす場所として、やまゆりを選択されご夫婦と家族を
紹介したいと思います
在宅で奥様を看てこられたご主人「家のことはすべてまかせっきりで何もした事がなかった」
と、笑顔で話され、認知症を患った奥様を献身的に介護されていました
デイサービスなども利用し、少しは時間に余裕も出来ていたようですが
病状の進行に伴い、負担は大きく重くのしかかっていたようです
知らない間に自宅からいなくなり 警察のお世話になる事もあったようです
地域やサービス担当者からも入所の事を進められても、なかなか決断ができなかった
奥様をとても大切にされていたので離れる事が寂しかったのだと思います
入所は敬老会の日と重なり 初めての家族会にも参加していただけました
ご本人は家族から離れることを嫌がり娘様の手をずっと握っておられました
知らない場所で知らない顔 きっと不安だったと思います
表現できる精一杯の拒否行動と表情 そして固く握った手
「この子は・・」とご主人の表情も緩みますが、きっと後ろ髪を
引かれる思いで奥様を置いて帰られたのだと思います
面会にも良く来ていただきました
ご主人から少し余裕の表情を感じ取れた時は心から良かったと
思えたのを覚えています
奥様が入所されて半年 自宅で倒れているご主人が発見されました
脳内出血で入院となり、リハビリをしても在宅生活は無理と医師の判断
娘さんや息子さま、家族の強い要望で夫婦一緒にいさせてやりたい
その思いからやまゆりを希望されました
ご主人の入所時はご夫婦ともにお互いをどこまでわかっているのか
無表情で理解できませんでした
職員はそれでも一緒にいる時間を作り 手をつなぐ
など関係を取り戻してもらいたい一心で日課として取り入れました
回数を重ねていくうちに様子の変化を感じていました
そっと寄り添っていく奥様 毛布を掛けるしぐさ
次第に表情にも表れてくるようになりました
嬉しそうに奥様といるご主人の表情が激変しました
無表情に近い最初の頃とはまるで別人です
職員との会話も成立することが増加 ご自分の意思表示も
しっかりできるようになりました
笑顔も増え感謝の言葉も聞かれるようになりました
私たちは、入所者家族様と接する際には何でも話せる関係づくりを意識しています
「言いにくい事が話せる」 とても大切なことです
ご家族様もお世話してもらっているからと遠慮などしないでほしい
と常々言っています
それは職員からも同じできれいごとだけで介護の現場はまわりません
本音で話し合いえる そんな関係を築きながらやまゆりの良さを感じてもらえたから
5組のご夫婦入居につながったのだと思います
今後は親子での入所などもあり得るかも知れません
その時が来た時にやまゆりに入所したいと思っていただけるような
家族と関係が作れている施設であり続けたいと思います