福祉でまちづくりを進める
社会福祉法人ヒューマンライツ福祉協会

抑制から緩和へ

 新型コロナ対策のための政府による「自粛要請」は、相当なダブルバインドで疲れます。外出といった日常生活と経済活動の双方に「自粛」が「要請」され、そこに強い同調圧力が加わりつつ、公的支援も罰則も脆弱なまま、閉じこもり生活等が求められる。やっと全国39県で宣言が解除され、5月16日以降、大阪でも一部で自粛緩和が行われましたが、まだまだ通常の状態に戻っていません。今、感染は落ち着いていますが、第2派、冬季の想定が求められ、引き続き、高い緊張感が続いていきます。

 ウィズコロナ。最近、よく聞くフレーズですが、コロナウイルスは絶滅することがないので、これからの私たちがとるべきポジショニングの基本となるでしょう。政府からは「新しい生活様式」への移行が提案されましたが、少なくとも医療や福祉の現場では、できないことも多く、特に「様式」の底流にあるフィジカル・ディスタンスの確保は困難だと思います。やはり分岐点はワクチンや治療薬の開発・普及です。それまでは病気、恐怖や不安、コロナ差別との闘いは続きそうです。早晩、倒産や廃業、失業や自死問題等が顕在化し始め、残念ながらウィズコロナの時代はまだ先の話になる気がしています。

 ところで、新型コロナ騒動が始まって約4ヶ月が経ち、改めて疑問に感じていることがあります。それは、新型コロナと既存のコロナ(通常の風邪等)や季節性インフルエンザは、リスク管理上、どんな違いが必要なのかというベタな疑問です。確かに新型コロナは、季節性インフルエンザよりも、排菌を伴う潜伏期間が長く(無症状感染)、致命割合も高いそうですが、感染経路は、接触と飛沫がベースである以上、福祉現場で行われてきた通常の感染症対策の厳格適用でカバーできるのではないか。国から通達された面会禁止などの制限や各種の自粛は、3密回避を超える過剰な2密1密対策要請ではないのかということです。確かに、未知の疫病には不明な点が多く、物理的に外部との接触機会を減らす「念のため」の措置として私たちも取り組んでいますが、こうした感染予防を理由にした私権の制限は、いつまでも続けるべきではありません。新型コロナとの闘いに勝利しても暮らしが壊れてしまいます。

 私は立場上、各現場に「念のため」をお願いしていますが、これからは抑制から緩和へとリスク管理のベースを移行しつつ「新しい業務様式」を導入したいと思っています。政府には、ワクチンや治療薬の開発・普及に大規模な予算を投入し早期実現してもらいたい、感染者やご家族、医療・福祉関係者への差別を禁止してもらいたい、マスコミには不必要に不安を煽る報道は控えてほしいと願っています。WEB面会にも取り組みますが、リアル面会でないとオキシトシンは減るでしょう。カラオケ大会も実施したい。診療所の受付や診察室、高齢者生活相談の窓口に設置した塩化ビニールの仕切りカーテンも外したい。アウトリーチ活動、看取りや施設内での葬送も通常に戻したい‥。ただそれだけです。