福祉でまちづくりを進める
社会福祉法人ヒューマンライツ福祉協会

走りながら”やってきた”


 「理事長の走りながら考えた」。ホームページのリニューアルに合わせてこのコーナーが始まりました。言わば当職のヒトリ言。気軽におつきあいを願います。まずは創刊号なので、法人での経歴紹介から始めます。

 当法人は1995年12月に設立され、私は監事に就任しました。1997年に理事として運営に加わり、理事長になったのは2008年でした。それまで初代理事長として法人を温かく守り育てていただいた元関学教授の大谷強先生には、いろんなご苦労をおかけし本当に感謝。後をしっかりと引き継ぎ、先生の名を汚さないぞと誓い、走り始めました。

 スタートは、組織ミッションづくりでした。ミッションよりパッションだよ、とささやかれながらも、ミッションにこだわりました。法人の設立趣旨は定款に書かれている。でも、多くの職員が知らない。もう一つは、設立趣旨の内容が抽象的。絵に描いた餅の状態でした。

 設立趣旨を具体的な形にしていく「実践指針」としてミッションが必要だったのです。かの水平社宣言の至言を今に継承させたいという欲もありました。で、たどり着いたのが、ソーシャルインクルージョンとエンパワーメント。宣言の「人の世に熱あれ、人間に光あれ」を深掘りし、横文字にしました。

 2010年には、ミッション実現に向けた「中期経営計画」をつくりました。事業・組織・財政などの計画に加え、事業評価制度を盛込みました。自分達の実践がどこまで当事者や社会のために役立っているのかを自主評価できるようにしたかったのです。

 他にも、ISO9001取得、介護保険市民オンブズマンや第3者評価の受審、利用者満足度調査など、手間ひまもお金もかけ、評価にこだわりました。法人が、福祉業界にありがちな偏った自己満足体質に陥らないよう、戒める仕掛けが大切だと考えたからです。最近はしつこく「セイカのテイギ」と叫びながら、評価のモノサシをつくっています。

 今や社会福祉法人も経営の時代。社会性と事業性を両立させる難易度の高いマネジメントが求められています。最近、法人の中核職員に3D追放とND推奨令を出しました。「でも(頭からの否定)」「だって(言い訳)」「できない(努力の放棄)」の3Dを追放し、ミッション実現に向け「何ができるか(N)」「どうすればできるか(D)」のマインドをド真ん中に据える。さて、ND経営の行く末は如何に。以上「理事長の走りながら”やってきた”」でした。