福祉でまちづくりを進める
社会福祉法人ヒューマンライツ福祉協会

チェービー

 脅威というべきか、非情というべきか。これでもか、これでもかと続く大規模な自然災害によって私たちの日常が脅かされる日々が続いています。6月中旬に発生した大阪北部地震、7月上旬の西日本豪雨、7月後半から8月にかけて続いた殺人的な猛暑、8月下旬に発生した台風20号、そして、9月4日には21号が大阪を直撃し、甚大な被害を引き起こしました。9月6日には、北海道で震度7の大地震があり、余震が続く中、懸命な復旧・復興活動が続けられています。無念にも災害で尊い命を失われた方、被害に合われた方々には心よりお悔やみ、お見舞いを申し上げたいと思います。
 西成区では、特に台風21号(チェービー)で大きな被害が出ました。当協会でも施設の約7割が停電。通所系施設では、あらかじめサービス提供を中止していたので、人的被害は出ませんでしたが、特養、グループホーム、サ高住など居住系施設では対応にドタバタさせられました。9月4日の昼過ぎに停電となり、非常用電灯が作動したものの、1時間後にダウン。照明不足はもとよりエレベーター、冷蔵庫をはじめあらゆる電気系統が停止しました。偶然にも喀痰吸引器の利用者がいなかったのは不幸中の幸いでしたが、空調マヒで暑さ対策などが必要となりました。夕食は階段を使っての配膳となり、ミキサー食は通電している別施設に食材を運び込んでの調理となりました。驚いたのは、断水です。勉強不足で、電気と水は別物と思い込んでいたからです。飲料水は備蓄を活用しましたが、生活用水の確保に不具合が起こり、急遽、簡易トイレの調達に走りました。食糧備蓄も老人ホーム分は確保されていましたが、サ高住の入居者分が用意されておらず、急遽、夜8時頃、停電を免れ開店していたスーパーに飛び込み、パンと飲み物を約100人分調達、プッシュ型で配布しました。その他にも、懐中電灯やランタン、簡易食器は追加調達となりました。停電は一晩続き、通電したのは翌5日の明け方でした。
 社会福祉法人では災害時事業継続計画(BCP計画)の策定が推奨されていて、私たちも大規模震災を想定した計画をもっています。しかし、停電時の対応方針が不十分など早急な見直しが必要です。いかなる災害が起ころうと社会福祉事業は、事業を継続できるようしなければならず、平時からの準備を含めた対応が求められています。そして、仮に事業がストップしたとしても、できるだけ早期に再開させる努力が必要です。事業の実施それ自体が人の命を直接支えているからです。そして、地域の被災住民の支援も公益法人としての大切な使命です。しかし今回は、サービス利用者の支援・安全確保で手いっぱいとなり、十分な役割を果たせませんでした。今後の大きな宿題です。それにしても停電はやっかいです。台風21号では、復旧までに4日もかかった地域があり、私たちはさっそく災害用自家発電機の導入検討に入っています。危機管理の基本は、想定外を想定すること。改めて肝に命じます。