福祉でまちづくりを進める
社会福祉法人ヒューマンライツ福祉協会

そうだ、エシカル消費!

 ネーミングの力はすごいなあ、と思うことがある。普及は難しい、時間がかかる、という場合でもネーミングひとつであっという間に広がることもある。最近の代表例は携帯電話。あれ、もともとは「高性能移動式無線機」。移動式無線機を携帯電話と言い切る勇気には感服しますが、携帯電話が無線機という名前だったらここまで普及したかどうかは疑問で、ネーミング力の成功例だと言われています。社会的な分野でみると、支払う食事代の一部が自動的に途上国に寄付されるテーブルフォートゥー(TFT)、搾取のない公正価格で貿易を行うフェアトレード(FT)といった国際貢献活動は、しゃれたネーミングの好影響も手伝って、少しずつ活動の輪が広がっているそうです。

  ここ数年、当法人では障害者や高齢者の就労支援の一環として水耕農業や給食事業、コンビニ事業を始めました。ここで提供される商品を買うと障害者や高齢者の支援につながる。つまり、お弁当やお惣菜、日用品など、私たちの日常のちょっとした買い物が結果的に大きな社会貢献になる。そんな価値ある消費行動をうまく広げるために、TFTやFTのようなネーミングを考え、何とか地域で話題にできないかなあ、と考えていました。

  すると最近「エシカル消費」という聞きなれない言葉を耳にしたのです。東日本大震災、福島原発事故を受けて、被災地の物産品を積極的に買ったり、この夏には扇風機やすだれ、蚊帳などのエコな商品がよく売れたりしている。これらは被災地の復興(コミュニティの発展)を願う行動として、また、個人の生活満足より節電というコミュニティ全体のバランスを重視した行動として注目され、「エシカル(倫理的・道徳的)消費行動(ethical consumerism)」とネーミングされているというのです。

  さらに驚いたのは、この「エシカル」、あのマズローが提唱した「5段階欲求説」とも関連しているようなのです。マズローの成長欲求の最終段階とされていた「自己実現」には、さらに上位に「コミュニティ発展欲求」が設定されていて、第5段階までは利己的であるのに対して、第6段階は利他的だからエシカルというそうです。マズロー説に6番目があったことも驚きですが、それがコミュニティの発展だというのは、「福祉でまちづくり」を標榜する私たちにとって、とてもシックリきます。

  ネーミングはエシカルにしよう。ヒューマンライツ提供の商品を買うことは西成版「エシカル消費」ですよ、と。読者のみなさん、ぜひ一度、あなたもエシカル体験してみませんか。いま、給食部門のコミュニティ・キッチン8(はち)では、お正月恒例の「赤飯入り2段重おせち風弁当(3000円/容器代別)」の注文を受け付けています(06-6567-0880)。また、コンビニ「ウイングストア」では、お掃除用品もそろいます。年末の大掃除を済ませ、おせち料理でも食べながら、エシカルなお正月を迎えましょう。