“行ってみようかな”
今回は、なでしこの利用者様が意欲向上を目的として行った
外出支援の様子をご報告していこうと思います♪
お部屋で過ごす時間が長かったこちらのG様が、少しずつ“外に出てみよう”
という気持ちを持ち始め、新たな一歩を踏み出すまでの過程をお伝えします。
まず半年前までのG様は、食事の時間以外はお部屋で静かに過ごされ、
他の利用者様やスタッフとの交流がほとんどありませんでした!!
大好きな宝くじでさえ「買ってきてくれ」
とスタッフに頼まれるだけで、ご自身は外へ出られませんでした。
2階ユニットから3階ユニットへお引越しされてきたこともあり、
新しい環境での接点は限られていました。
私は、いきなり「外へいきましょう!」「あれやりましょう!」
と誘ってもきっと難しい、と感じました。
まずはG様との信頼関係を築くことから――。
毎日お部屋に伺い、G様の好きなものやこれまでの人生について、耳を傾け続けてみました。
やがて、G様のほうからも私に声をかけてくださるようになり、笑顔も増えてきました。
そんなある日、「最近履いている草履がすり減ってきた。全く同じものがほしいんやけど・・・」
と相談をいただきました。調べてみると、近所のコーナンに在庫あり。
「一緒に買いに行きませんか?」と誘うと――
今まで外出を断られていたG様が、にこにこと
「うわぁ~いこいこ!買い物楽しみやなぁ~」と即答されたのです。
当日は、何時間も前から準備され、道中では
「暑くないか?」「車椅子押しててしんどくないか?」と、私を気遣ってくださる場面も。
コーナンで同じ草履を見つけた瞬間の、あの笑顔は微笑ましかったです♪
この小さな外出をきっかけに「今度もどっか連れてって~」と嬉しいお言葉をいただき
以来、定期的にコンビニへお菓子や雑誌を買いに行くようになりました。
そして普段はペースト食を召し上がるG様。
「形のある料理が食べたいなぁ」という願いを叶えるため、
少し遠出をしてペースト食を形ある状態で提供してくれるレストランへ行く計画を立てました。
その日を楽しみに、足の筋力向上を目指して体操や廊下歩行にも積極的に参加してくださるように。
かつては、「そんなんやらん」と仰っていたレクリエーションにも少しずつ参加され
居室での朝顔作りから始まり、フロアでの活動にも足を運ばれる時間が増えました。
そして迎えたレストラン外出当日。
車内では会話も弾み、到着後にすき焼き御膳を前にすると
「うわぁ~みて~とろとろや~美味しいわ~!」と満面の笑み!
帰りには宝くじも購入しました♪
あの日から、Gさんの笑顔と意欲は確実に広がっていきました。
これからも、信頼を基盤にした外出支援を続け、さらにたくさんの
「行きたい」「やってみたい」を一緒に叶えていきたいと思います。
END