60歳を過ぎると腸の働きが低下したり、
便を押し出す力(腹筋や肛門括約筋など)が弱くなってしまいます。
そして、便意も感じにくくなるため便秘になりがちです。
一般的に便秘は3~4日便が出ないことを言います。
3~4日便が出ないからといってすぐに問題がある訳ではありません。
しかし、溜まった便が一気に排出されると血圧が急激に下がって
失神したりすることもあるので危険です。
そのため便秘にならないように排便コントロールが必要になってきます。
どのように排便コントロールを行なうのか?
①水分を多めに摂る
一日に必要な水分の摂取量は1.5Lといわれています。
水分は便をやわらかくして排便がしやすくなります。
②食物繊維を摂る
野菜や果物に入っている食物繊維を摂ることで腸管の動きを活発にします。
③よく寝る
よく睡眠をとることで自律神経のバランスが整います。
バランスが整うと胃腸の働きが活性化します。
と、これらができていれば排便はある程度コントロールできるはずです。
しかし、高齢者の場合は①~③をしっかりしていても便秘になってしまいます。
なぜなら内臓機能の低下や慢性的な運動不足になりがちだからです。
便秘の最終手段は下剤になります。
下剤といっても色々種類があるので個々の便秘状態に合わせる必要があります。
例① 刺激性の下剤(センノシド・ヨーデル・ラキソベロン)
大腸を直接刺激して、蠕動(ぜんどう)運動を活発化して便意を促します。
即効性はありますが、長期的に使用すると、耐性ができて効果が弱くなります。
例② 非刺激性の下剤(酸化マグネシウム・アミティーザなど)
便に水分を集めて柔らかくします。副作用が少ないのが特徴。
また刺激性の下剤が合わない方におすすめです。
現在、介護施設にいる高齢者の方のほとんど(7~8割)が
下剤による排便コントロールを行なっていると言われています。
最終手段である下剤に頼らざるを得ない状況というのはあまり
好ましくない状況だといえます・・・が今はこれ以外に効果的な方法は知られていません。
体に害が無くて簡単に排便コントロールできる魔法のような物があったらいいですね。。。