40代を過ぎたあたりから加齢により聴力が落ちてきます。
そして、70代を超えると約半数の方が軽~中等度の難聴になるそうです。
これがいわゆる「加齢性難聴」です。
私たちの施設では80歳以上の方が多く大きな声で話さないと
会話が成立しないことが、しばしばあります。
【難聴の目安】
小声(20~30㏈)が聞こえない (軽度難聴)
普通の会話(40~50㏈)が聞こえない (中度難聴)
大声(60~70㏈)が聞こえない (高度難聴)
騒音レベル(80~90㏈)が聞こえない (重度難聴)
【なぜ加齢性難聴になるのか】
加齢により耳の中にある有毛細胞が減少したり、
抜け落ちたりすることが原因です。
有毛細胞は音を感知したり増幅する役割があるのですが、
これが減少すると音の情報を脳に送ることができなくなります。
そして有毛細胞は一度壊れてしまうと再生することは困難です。
【高音域から聞こえにくくなる】
電子レンジの音や体温計の音は成人が聞き取りやすい
3000~4000Hzになっています。
しかし、難聴になるとこういった高音域も、聞き取りにくくなってきます。
体温計のピピピ音が聞こえにくくなってきたら要注意です。
《㏈(デシベル)は音量・音域はHz(ヘルツ)》
【加齢性難聴は治るのか】
老化による聴覚機能の低下なので、
現在の医療では根本的な治療方法はありません!!
しかし、補聴器や集音器などで聴力を補ったりすることは可能です。
【日本は補聴器の使用率が低い】
イギリスやスイスでの補聴器使用率は40%以上あります。
それに対して日本の使用率は15%にも満たないそうです。
目が悪くなるとメガネをかける人が多いですが、
耳が悪くなってもすぐに補聴器をつける人はあまりいません。
なぜでしょうか?
【補聴器を付けない理由】
1.値段が高い
基本的には自己負担で性能の良いものは10万円以上します。
そのため手軽に買えないのが現状です。
補助金や医療控除も受けれますがあまり広く知れ渡っていません。
2.カッコ悪い
補聴器をつける人が少ないので、
耳に装着していると目立ってしまいます。
しかし、ひと昔前まではパッと見て補聴器を
装着していると分かるものでしたが、
実は近年の補聴器は小さくてスタイリッシュで、
目立たない補聴器が増えてきています。
【あなたの耳年齢は】
最近ではワイヤレスイヤホンの普及に伴い、
年齢を問わず長時間イヤホンをつける機会が多くなりました。
そのため有毛細胞が傷んだり壊れたりしてしまい
難聴になる方が増えてきているそうです。
実際の年齢と耳年齢(肌年齢の耳バージョン)の差が激しくなってきています。
【有毛細胞は復活する!?】
有毛細胞の再生は困難だと前述しましたが、現在ips細胞の研究により有毛細胞が
再生して作ることができる可能性があるそうです。
何年先になるのか分かりませんが少し希望は持てそうです。。。