日常生活ではあまり聞くことがないですが、
介護の仕事をしていると「〇〇さんのADLが落ちてきた」
というのをよく聞くことがあります。
これを聞くとその入居者の方が生活しにくくなったり、
介護度が増したりするので、いつも以上に注意をしてケアをしなければいけません!!
《ADLって何?》
ADLというのは「Activities of Daily Living」の略で
日本語でいう日常生活動作です。
日常生活動作は
・食事
・着替え
・トイレ
などの動作をいいます。
「ADLが落ちる」ということは
上記の食事・着替え・トイレなどをする
動作レベルが落ちる(下がる)ことを指します。
《ADLが落ちる原因》
ADLが落ちる原因はいろいろあり、
【ケガ】
転倒による骨折
【加齢】
内臓機能の低下・認知機能の低下
【過剰介護】
筋力低下、気力の低下
【病気】
インフルエンザ、肺炎
などが挙げられます。
この中で急激にADLが落ちやすいのはケガによる骨折ではないでしょうか。
特に足を骨折して入院した場合、完治していても、その間歩くことができなければ
筋力が低下して、今までのように歩行することが出来なくなります。
高齢者のADLは一旦落ちると上がることは
難しく、良くても現状維持というのが現実です。
(私の経験上ですが、、、)。
《ADLを評価する》
ADLには評価方法がいくつかあります。
「ADLが落ちた」といってもどのくらい落ちたのか
がある程度分類できていないとチームでの介助はしにくくなります。
今回はFIM(機能自立度評価法)に関して少しだけ触れておきます。
FIMでは人がどれだけ自分の能力を使っているかを
7段階に分けて評価します。
【7点、完全自立】
複雑な動作を自立して一人で可能
【6点、修正自立】
(自分で出来るが)時間がかかる、補助具や安全性への配慮が必要
【5点、監視・準備】
監視・準備、指示、促しが必要
【4点、最小介助】
75以上90%未満は自分で行なう
【3点、中等度介助】
50~75%未満は自分で行なう
【2点、最大介助】
25~50%未満は自分で行なう
【1点、全介助】
25%未満は自分で行なう
この7段階を18項目で採点するとADLを数値化できます。
数値化することで本人の現在のADLを可視化でき、
ADLの変化が分かるので非常に便利です。
《ADLが落ちないように》
ADLを落ちにくいようにする方法はあります。
いろいろあると思うんですが、短期的な方法では効果が薄いので
長く継続してできる『日課を行なう』ことだと私は思います。
例えば
毎朝花に水をやるとか、寝る前にラジオを聴くとか何でもいいんですけど、
とにかく無理なく毎日継続してできることが大切です。
日課を行なうことで生活リズムができて、心の乱れや体の乱れが少なくなり
結果としてADLが落ちにくくなるのではないかと思います。
これは全く科学的根拠なんかはありません。
でも何もしないより効果的な一歩だと私は思います。