前回は「入浴する前に気をつけること・・」を話しましたので
今回は「入浴」介助について話していきます。
入浴介助にはなかなか危険が潜んでいるんです。。。
入浴の手順は
①脱衣
↓
②身体を洗う
↓
③お湯に浸かる
↓
④着衣 その他
になります。
手順ごとに説明していきます。
【脱衣】 皮膚のチェックと安全を!
ズボンや下着の更衣時は片方の足に体重がかかるため、ふらつくと転倒に繋がるのですごく危険です。足腰の弱っている方にはイスを使ってもらったり、手すりを持ってもらったりして、態勢を崩さないようにして衣服を脱いでもらいます。私たちはいつでも介助できるポジションに付き、倒れそうになった場合に備えておきます。
また体に麻痺がある方には脱健着患(脱ぐ時は健康な側から脱ぎ、着る時は患っている側から着ること)を意識してお手伝いをします。
そして裸になることで身体の傷や皮膚の状態のチェックがしやすくなります。普段服を着ていると見えない部分がチェックできる絶好の機会です。傷口がひどい場合は入浴できない場合があるのでここでのチェックは欠かせません!
【身体を洗う】 泡に注意!
身体を洗う時は身体が傾くと危険なのでイスに座ってもらいます。背もたれがあるシャワーチェアなどがあると便利です。
身体や頭など本人が洗えるところは洗ってもらいます。高齢になると関節を曲げるのが難しくなってくるので、背中や足先はお手伝いすることが多いです。
洗身後は床に泡が付くので、床を歩く時には床や足に付いた泡は流しておきます。
【お湯に浸かる】 浸かりすぎは禁物!
古い様式の浴室は床と浴槽の段差があり、浴槽に入るには足を大きく上げる必要があります。
そのためバランスを崩しやすいので「手すり」があったり、段差を解消する「浴槽台」があると便利です。浴槽に浸かってもらったら時間を計測します。あまり長湯をするとヒートショックなどの危険性が出てくるので湯温が40度くらいなら浸かるのは10分程度が目安になります。
体調が急変する場合もあるので、お湯に浸かってもらっている間は利用者様に声掛けしたり、常時顔色を見て体調を確認しておきます。また風呂上りは身体がすぐに冷えるので、身体についた水滴を素早く拭き取ることも忘れてはいけません。
皮膚の疾患のある方や、肌荒れのある方には薬や軟膏を塗る場合もあります。その際は手袋を装着して塗ります。風呂上がりは皮膚が清潔になるので薬や軟膏の効果が期待できます。
【着衣 その他】 季節に応じた服を
基本的に手順は脱衣の反対なだけですが、着衣は脱衣よりも時間が多くかかります。なぜなら脱ぐ場合にはあまり気を使う必要はありませんが、着衣の場合は衣服の裏表やめくれ、そして着る順番(下着からズボンなど)もあるため、必然的に衣服を脱ぐ時より着る時の方が時間はかかります。
ポイントは服の裏のタグの位置です!上着の首後ろと左脇にあるタグを裏表の目安にします。
また季節の変わり目にも注意が必要です。夏に厚着、冬に薄着にならないように事前に気温も調べておきます。
このように入浴介助は危険が多いので、いつも以上に気を使います。しかし、利用者様の入浴後にサッパリされた表情をみるとこちらも心が和みます。気持ちよく、安全にお風呂に入ってもらえるように心掛けます。