寒い季節がやってきました。
こんな時はお風呂に浸かってポカポカしたいものですね。
ということで、今回は「入浴」の話です。
入浴の目的は
・身体の清潔
・心のリラックス
・病気の予防 など
色々あります。しかし、入浴にはリスクも伴います。
・血圧上昇による心筋梗塞や脳卒中
・浴室での転倒 など
私たちは、このリスクに気をつけて利用者様に快適な入浴を提供できるように心掛けています。
今回の「入浴」の話では入浴のリスクを回避しつつ、入浴の目的を達成できる方法を私たちが普段気をつけていることで参考にしていただければと思います。
今回お話しする入浴とは「脱衣」して「体を洗う」。そして「お湯に浸かり」「着衣」するまでを指します。
これらの項目にひとつずつ着目して注意点などを説明していきます。
とその前に・・・
私たちヘルパーは利用者様のお宅に訪問して、お風呂に入ってもらうので各利用者様によって入浴する環境が異なります。一方の家には手すりがあったり、もう一方の家は浴槽が深かったりと環境がまるで違ったりします。
そのため利用者様宅ごとに入浴方法は異なってきます。
とはいえ根本的な部分は変わりません。先ほど挙げた脱衣・体を洗う・お湯に浸かる・着衣をベースに細かい部分を修正していきます。
また入浴前の準備も欠かせません。
入浴後の衣服、シャンプー、タオル、バスタオルなどはもちろんですが、肌荒れ時などに塗る薬や寒暖差が生じないようにする暖房器具なども準備しておく必要があります。そして一番大事なのはお風呂の湯温です。
一般的な湯温は40~43℃と言われています。しかし、高齢の方は高血圧や心臓に不安のある方が多く、一般的な湯温でもヒートショックになる可能性が高くなるので、湯温を高めに設定すると命の危険も考えられます。
最近では不感温浴といって34~37℃の不感温度(熱くも冷たくもない温度)で長めに入浴する方も多くなっていて、スーパー銭湯などでもそういった温度に設定されているところもあります。しかし、利用者様のなかには「熱め以外は入らん!」という方もいます。ですが不感温浴とまではいかなくても1~2℃低めにするだけでリスクは軽減されますし、入浴時間を短くすることでもリスクは減らせます。
高血圧の方で普段の血圧より高い場合は、入浴をお断りすることがあります。高血圧でなくてもリスクはありますが、血圧の上の値が160mmhg以上だと3.6倍以上、下の値が100mmhg以上だと14.7倍の事故率になると言われています。そのため本人や主治医、看護師などと相談の上、血圧が高めの時の入浴可否の目安になる数値を決めておくのもいいかもしれません。
以上が入浴前に気をつけることになります。
その2へつづく・・・