ヘルパーの仕事の一つに利用者様の買物を代行するというものがあります。主に足腰に不安のある方や一人で買物に行くことが困難(認知症の方など)な方が利用されます。
内容はいたってシンプル!!
利用者様の希望する商品をヘルパーが代わりに買いに行くだけです。
しかし、これが意外に難しいんです。
利用者様のイメージする物とヘルパーのイメージする物がしっかり一致しないことには上手く買物はできません。
例えば
利用者様に「パンと寿司とお茶を買ってきて」と頼まれた場合、言われた通り商品を買うと大抵利用者様から苦情がきます(私も新人のときはよくやりました・・・)。
なぜかというと
「パン」と一口に言っても菓子パンや総菜パンや食パンもあります。食パンなら何枚切りなのかも大事です。
「寿司」なら巻き寿司、チラシ寿司、握り寿司などがあります。
そして、「お茶」の場合だと種類(緑茶・烏龍茶・麦茶など)もあるし、量も500mlや2L の物もあります。
あと、購入する商品の個数を聞くことも大切です。
これらのことを踏まえて利用者様側にしっかり聞き取りをして、利用者様とヘルパーとのイメージを近づけることでミスを防ぎます。
買物代行にはちょっとしたコツがあります。
それは「隠れたニーズを引き出す」ことです。
本人が頼まれた物以外に頼み忘れをする場合もあるので、利用者様からの買物依頼を聞いた後にヘルパー側から
「他に買う物はありませんか?」
と聞くことで買い忘れなど防ぐことができます。
私もトイレットペーパーや調味料などをよく買い忘れることがあるので・・・
本来頼む予定ではなかったが、普段買わない生活用品や消耗品などの隠れたニーズを拾いあげるのもヘルパーの仕事のひとつです。
あとヘルパーには買えない物があります。
これを言うと利用者様に驚かれるのですが、
ヘルパーは基本的に日常生活で必要な物しか買えません。
買えない物は嗜好品(趣味の物)です。
いわゆるお酒・タバコ・雑誌などです。
無くても生活に支障のない物は買えない制度になっています。
中には「灯油を買ってくれ」という方もいます。
これも判断が難しくて灯油は嗜好品ではなく、真冬の時期には必ずいるというお宅もあります。しかし、灯油は危険物に当たるので私たちは取り扱っていません。そのため利用者様には業者に配達してもらうように勧めています。
買物を代わりに行くことで、たくさん分かることがあります。たとえば食べ物の好みであったり、固い食べ物が苦手であったり、栄養状態や生活状況などです。また買い物の量や質によって本人の金銭感覚や生活スタイルが分かってきます。
こういった情報は利用者様を介護する上で必要になる情報です。
ヘルパーの支援のひとつである買物の代行で得られる情報はたくさんあります。ただなんとなく買物するだけでなく、利用者様の生活背景や栄養状態を確認する支援でもあります。
シンプルだけど難しい。
買物代行です。。。