福祉でまちづくりを進める
社会福祉法人ヒューマンライツ福祉協会

ヘルパーブログ ~Remember(リメンバー) Tokyo~(その3)

前回のつづき・・・

80代認知症の男性の方が一人で東京へ旅行に出掛けました!東京行きのバスへ乗り込んだものの目的地を乗り過ごしてしまい、バス会社から警察に連絡が有りましたが、彼の知人であるA様が状況説明してことなきを得ました。しかし、彼はその日に泊まったホテルのチェックアウトせずに荷物を置いたまま外出するのでした・・・

ホテルで一泊した翌朝に彼はホテルの近くを散歩していました!!

すぐに戻る予定でしたが、慣れない土地なので道に迷ってしまいチェックアウトする時間である11時を過ぎてしまいました。ホテル側はチェックアウト時間を過ぎたお客様の荷物の紛失届を出しました。すると警察側が彼の名前に見覚えがあったので、機転を利かせて彼を捜索し保護しました。

 

これ以上危険を伴う可能性があるので、警察の方と彼が話し合い今回の旅行はここで終了となりました。

残念ながら彼の楽しみにしていた東京旅行はほぼ一日で終わってしまいました。その後、警察の方が彼の知人であるA様と連絡を取り迎えに来てもらおうとしましたが、A様がすぐには東京へ向かえないとのことで、警察の方が彼の住んでいるB市の駅行きの新幹線に同乗してくださいました。

東京を楽しみたい彼は泊まるホテルを一泊ごとに変更していました。東京の色々な景色を見たかったのだと思います。毎年来ているとはいえ、いつも全部の景色を見られるわけではありません。東京4泊の旅でも色々な景色を見て、カメラにおさめたかったのでしょう。

 

警察官の方と同行してB市に到着した彼は少し気落ちした様子でした。

A様が「東京はどうでしたか??」と問うと、彼は「東京は、もう行かない!!」と言ったきり黙り込んでしまいました。本人の東京での記憶がどこまで残っているかはわかりませんが・・あまり東京に対して良い印象は残っていなかったのかもしれません。しかし、しばらく黙った後にボソッと「次は和歌山やな」とつぶやいてニンマリしていました。

今回の旅行では彼にケガが無く無事に帰ってこられたから良かったのですが、誰にも気付かれずにそのまま行方不明になる可能性もありました(>_<)

私達の事業所にも認知症の方は少なからずおられます。そのため地域ぐるみの支援(コンビニや個人商店との連携など)や認知症への理解を深めなければいけないと強く感じました☆彡