前回のつづき・・・
80代の認知症の男性が一人で東京に出掛けました。そして出発した翌日に知人であるA氏に電話が掛かってきました。電話の主とは一体・・・
彼はその昔カメラマンをしていました。自宅には過去に撮影された人物や風景、そして有名な建造物などが100冊以上もあるアルバムの中に収められていました。その中に毎年行っていた東京旅行の写真もありました!!
東大の赤門、浅草などの写真を私達に見せてくださり、「これは(浅草の雷門の写真)観光客が多いから、写真を撮るのに苦労した」などと当時のことを楽しそうに話してくれます。
彼は東京から500km以上離れた〇市から夜行バスで東京へ向かいました。
バスには問題なく乗れました。東京へは約10時間ほどの道のりです。
彼はバスに揺られながら、そこから見える風景を楽しんでいました。
しかし、まもなく東京駅に着くころでしたが、彼は到着地を忘れてしまい東京駅を通り過ぎてしまいました。
バス会社の方が心配して彼に声をかけましたが、返答が曖昧なため対応に困り警察に対応を依頼しました。
そして、警察が彼と話していると知人のA氏の話が出てきて、彼の荷物の中にA氏の連絡先が
載っていたのでA氏と連絡を取り、警察とA氏が情報交換してことなきを得て旅行は継続されました。
その後、彼は警察の方や通行人などにホテルへの行き先を教えてもらい、なんとかホテルには
一人で辿り着きました!!
彼の東京旅行で私が感じたことは、なによりも周りの方の親切な対応です。接してくださった方々の優しさもありますが、そのほかに彼の性格にも理由があると考えられます。彼は非常に明るくユーモアがあってすごく親しみやすいので、周りの方が懇意に接してくださるのだと思います。
今のところ順調に(少しハラハラもありつつ)スケジュールを進められているかのようにみえましたが・・・
翌朝、彼はホテルで朝食を摂り、天気も良かったので散歩にでかけました。しかし慣れない土地のため、道に迷ってしまいました。彼にも少し焦りが出てきました。そうしている間にも刻々と時間は過ぎていきます。ホテルには一泊だけの予定なのでチェックアウトの時間が気になるところです・・・
(その3につづく)
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