物知り博士のH様が、亡くなりました。
H様は、9歳の時の事故により全盲となられ2種マッサージ免許を取り単身で大阪に出てこられ鍼灸師、柔道整復師となり自宅で開業されていたそうです。
スタッフの声を聴き分けてくださり、名前を呼んでもくださいました。
スタッフが『Hさん、おはよう。誰かわかる?』とお聞きするとちゃんと、『〇〇さんやろ~』と必ず当ててくださいました。
H様は、とても勉強家でいつも点字を読まれていました。
『今日は何を読んでるの?』とお聞きすると、『介護保険の勉強やぁ~』と。
H様は盲人福祉協会を立ち上げ理事等も務め表彰までされた方でしたので、とても勉強家でした。
よくラジオで国会中継も聞かれていました。
スタッフと、政権の話や情勢の話をし、色んなことを教えてくれました。
しかし今年に入り、だんだんと体力が落ち、眠っている時間が長くなっていました。
元気が無くなってきているH様へスタッフが『期日前投票に行きましょうか?』と尋ねると『うん。行く』と答えられました。
その日から、毎日、スタッフへ『NHKつけて~』と仰り、今の情勢を知ろうと勉強されていました。さすがだなぁ~と感心しました。
10月19日、期日前投票を無事に終え、H様は満足な表情をされていました。
選挙へ行くと決めてからは、ご飯前に歌う『ふるさと』の歌も精いっぱい歌ってくれていました。
しかし、残念ながら10月23日 入院されました。
私は、すぐ病院に駆けつけ声をかけると『ありがとう』とはっきり仰り安心しました。毎日、面会に行きました。
10月29日も面会に行き、H様の耳元でお話しをして、『今日は、帰るね。』と伝えると眉間にしわを寄せて首を横に振られました。いつもとは様子が違う。寂しいのかな?と思い、『明日も来ますね。』と伝えました。10月30日 約束通り、私はH様の面会に行き、H様の大好きな『ふるさと』の曲を流しながら耳元で歌いました。
そして、『11月1日はHさんの誕生日だからね、なでしこのスタッフみんなでお祝いしましょうね!』とも言いました。H様は小さく頷かれました。
ところが、10月31日 息子様よりH様が亡くなったと連絡がありました。
10月30日 22時頃だったと。私は20時前まで一緒に過ごしていたのに。
亡くなる前日、私が帰ろうとすると、明日も来て欲しいという気持ちが伝わってきたので行って良かったと思いました。
H様の手の感触、温もりを私達スタッフは決して忘れません。
いつも『ありがとう』と仰る感謝の気持ちも教えてくださいました。
人生最期の選挙にも同行させていただくことができて、とても嬉しかったです。
スタッフみんなで作ったバースデーカードは11月1日 前夜式でお渡ししました。
敬愛するH様、ありがとうございました。スタッフみんな、H様に感謝し、ずっと忘れません。
なでしこスタッフ Oより