福祉でまちづくりを進める
社会福祉法人ヒューマンライツ福祉協会

やまゆりレター☆みとり、おくる(2) 開設10年

今年に入って、やまゆりでの最期を迎えた、ご利用者のTさまをご紹介します。

春先になり、じょじょに食べる量が減っていき、こうなると職員は、

どうしたら少しでも無理なく飲んでいただけるだろう、と、まずは工夫を凝らします。

しかし同時に、ご本人にとって【苦しいことはしやんとこう】

とも思いながら、いま出来るご本人にとっての最善を探します。

最後の桜になるかも…

と思い、隙間をぬって出かけてくれた近所のお花見。

この後、

口から食べられる量はますます少なく、車いすに座ると、とてもしんどそうな体勢に…

日中も、ベッドで過ごす時間が大半になり・・・

 

しかし寂しがり屋のTさまは、開いたドアの向こうから、手を伸ばし職員に訴えかける。

お部屋に入った職員の手をつかんで、離さない。

「みんなと一緒にいたいんやね」

リビングに、簡易ベッドを運びました。

上には、痛くないように厚手の布団を敷いて、見渡せばそこには、いつも誰かがいる空間。

容体の変化は、現場の介護職員が、こまめにご家族へ連絡。

お別れの時間を持つことができ・・・

お孫さん、ひ孫さん、みんなに囲まれて、涙ぐんでおられる姿です。

ベテランの介護職が中に入り、自然な雰囲気でお話を交わし、

普段のご様子をお伝えするから、ご家族もリラックスしそばに寄り添える。

窓からさすやわらかな日差しの中で、

ほのぼのとしたよい時間が、画から伝わりますか?^^

入居という出会いから、看取りという別れまで。

Tさま、ありがとうございました^^