福祉でまちづくりを進める
社会福祉法人ヒューマンライツ福祉協会

経営の見える化指標


 先月末、地域の関係団体の方もゲストとしてお招きし「『経営の見える化指標』評価発表会」という催しを行いました。当協会の事業部を構成する8つのチーム(18のユニット)ごとに、2012年度の仕事の出来栄えを、共通のモノサシで採点し、その結果を発表・表彰する初めての試みです。本コラム創刊号に書いた「セイカのテイギ」づくりの延長線上にあり、PDCAサイクルで言えば「C」のプロセスにあたります。この「見える化指標」は7分野16項目からなり、自賛ながら大変良くできたモノサシで、通称「ミック(Management Index for Common)」という命名がなされました。

 これまで専門職、管理職含め、仕事の評価は各々によって微妙に違い、バラつきがちでした。しかし今回は各々の関心を尊重しつつも、ミックという形で共通の評価指標を設定し、これに沿って仕事の出来栄えを自己測定できるシステムができたこと自体に価値があると感じています。政治は選挙、ビジネスは売上や株価等で評価されますが、福祉法人のような非営利活動や市民活動、労働運動や社会運動は「評価外」扱いされることが少なくないからです。組織行動における責任感の拡散や社会的手抜きの牽制・コントロールは必須だし、行動が正義だから評価は不要という時代はもうすでに終わっています。

 さて、このミック、最大の特徴は、組織ミッションの達成度合いが測定できるという点です。また、利用者満足や職員満足だけでなく、財務面を含む経営満足もバランスよく評価できるような設計で、近江商人の三方よしに似た総合性をもっています。さらに、設定されている指標を着実に実行していけば、サービスの品質向上につながるという魔法のようなモノサシなのです。評価結果は、今後の事業改廃を決めるくらいの価値づけを行っているのですが、特徴的なのは人事制度と組み合わせている点です。当協会ではビジョニングを重視し、目標管理を基本とした新しい人事制度の導入を行いましたが、この中の業績考課、賞与制度、昇給昇格制度等とミックとを連動させています。もちろんチームや現場職員の評価だけでなく、理事長や経営的立場にある職員の評価も抜かりなく行われます。

 現在、社会福祉法人をめぐっては、税制の見直しやいわゆる内部留保問題、あるいは法人不要論が叫ばれるなど逆風下にあります。それもそのはずで、今の社会福祉法人が以前のように福祉における開拓的・先駆的役割を発揮しているのかと問われれば、答えが「?」だからです。要は、一体何をやっているのかと叱責されているのです。こんな時は「先ず隗より始めよ」です。自主評価を通じて自分達が社会のためにどんな貢献をし、どんな成果を出したのかを客観的に評価・発信する努力が必要です。見える化を「Common」と訳した視点を大切に、全てのスタッフが持てる強みをさらに発揮でき、かつ組織全体でこれまで以上の成果を残していけるようにがんばろうと、決意を新たにした発表会でした。