福祉でまちづくりを進める
社会福祉法人ヒューマンライツ福祉協会

ヘルパーブログ 「救急車への同乗は是か非か」

 

―訪問した時に利用者様が倒れている―

 

ヘルパーをしていると稀にそんな場面に遭遇します。

 

そういう時は

利用者様から要請があったり、明らかに具合が

悪そうな場合は救急車を呼びます。

 

救急車のイラスト(斜め)救急車で搬送される人のイラスト

 

救急搬送の際に救急隊から

救急車への同乗を求められることがあります。

しかし、

ヘルパーは原則同乗できません。 

なぜならヘルパーという職業上、次の訪問がついている

ことがあり、利用者様の中には独居の方も多くいます。

その方達も自宅で倒れている可能性があるからです。

孤独死のイラスト

と、キチンと上記のような説明をしないと

救急隊の方に怪訝な顔をされてしまいます。

 

とはいえ私達も「できれば同乗したい」という気持ちはあります。

容態も心配ですし…

しかし二次被害を起こさないようにするには

冷静な判断が必要です。

-情報提供はしっかりと-

ただ同乗はしませんが、キチンと情報提供は

しなければなりません。

救急隊にはヘルパーが知り得る情報はすべて伝えます。

そして搬送先が決まるまでは次へは動かないようにします。

 

あと本人が入院ではなく、

その日のうちに自宅に帰れる場合もあるので、

帰宅できる段取りが整っているのであれば

「帰宅できる手配は整えておきます」と

救急隊へ伝えます。この帰宅できるかどうかを

救急隊の方は結構心配されます。

-制度の問題?-

「法」と書かれた本のイラスト

ヘルパーは介護保険制度、

病院は医療保険制度

で動いています。

しかし、救急車内や移動中などは

どちらの制度にも当てはまりません。

 

ということは制度上はどちらも範疇ではないため、

責任の押し付け合いになったり、ヘルパー側と病院側の

どちらかに比重が傾いてしまいがちです。

 

これは現在の両制度の落とし穴ともいえ、人命を救うための

足枷になっています。

-優先すべきは人命-

なによりこれを念頭に置いて行動しなければなりません。

原則救急車に同乗はしませんが、時間に余裕がある場合や

切羽詰まった状態の時は同乗することもあります。

そこは制度がどうとかではなく、「人として」で動きます。

最後は結局そこが着地点になります。。。

コンピューターを使う猫のキャラクター