福祉でまちづくりを進める
社会福祉法人ヒューマンライツ福祉協会

脱・被害者意識


 最近読んだ本も参考に。仕事をしていれば、うまくいく時もそうでない時もあります。特に、うまくいかないことが続くと、悩んだり落ち込んだり、時には愚痴や文句がこぼれたりする。難易度の高いテーマに挑戦している時は特にそうで、これが繰り返されると、モチベーションが下がり、しまいには、逃げ出したくなってしまう。できれば、そんな事態は避けたい。何とか少しでも成果を残したい。そんな人には、私も愛用しているお勧めの言葉をご紹介します。

 それは、「他に何ができるか」というもの。目標がうまく達成できなかった時や問題がなかなか解決しない時、「他に何ができるか」と自問するのです。まじめで責任感の強い人ほど、自責の念に陥ったり深く悩んだりしてしまうのですが、そんな時こそ、否、できればそうなる前に、「他に何ができるか」というポジションに意識的に自分の身を置くクセをつけると、多少、気持ちが楽になります。部下が困っている時は、上司として「他に何ができるか」と考え、問題を抱えるのが他の部署なら、「自分に何ができるか」と問うのです。信長風に言えば「苦しいときこそ我が見せ場」ということでしょうか。

 ちょうどこれは、子育てに似ているかもしれません。子育てがうまくいかないと、悩んだり落ち込んだりすることもある。自信を失い、嫌気がさし、つい手が出てしまいそうになる。そんな時こそ、子どもの健やかな成長のために「他に何ができるか」と自問し、できることを見つけ、やってみる。うまくいかなければ、再び「他に何ができるか」を考え、行動する。その繰り返し。

 ただ、この姿勢が功を奏するには3つの条件が必要です。1つ目は、目標を見失わないこと。2つ目は、現実を直視すること。3つ目は、当事者意識を持つこと。当事者意識とは、自分の責任に気づかないふりをする、自分の窮状を他人のせいにする、何をすべきかわからないと開き直る、自分には落ち度がないと決め込む、すぐに他人に指示を仰ぐ、無理だと言い張るなどの被害者的な思考や態度、行動に陥ることなく、「今の状況は、自分が招いた結果だという意識を主体的に持つ」ということ。決して自責の念や自虐ではありません。オーナーシップ精神で、目標達成に対して覚悟を決めるということです。

 長くなりましたが、ぜひ来年は新しい目標を掲げ、問題解決に挑戦し、もし、うまくいかない時は、「他に何ができるか」と自問し、難局を乗り越えていきましょう。そう、職場忘年会であいさつするつもりでした。ところが、あいさつの前に、乾杯のビールが注がれはじめ、すでに数人は、コップに手がかかり、長い挨拶禁止の視線がグイグイと突き刺さってきたので、予定のあいさつは取りやめ。「えー今日は忘年会。イヤなことは忘れて、これからの時間を楽しみましょう」と意味不明のあいさつになってしまったのです。反省し、来年の忘年会に向けて「他に何ができるか」を考えてみた年の瀬でした。